EUとヨーロッパ、ユーロ圏、シェンゲン協定の違いとは!? 加盟国一覧

EUとヨーロッパ

EU

EUとは欧州連合の略であり、1993年11月1日のマーストリヒト条約発効により誕生したヨーロッパ地域の統合体です。本部はベルギーの首都ブリュッセルにあります。

欧州連合規約では欧州連合の存在価値について、以下のように記述しています。

連合は人間の尊厳に対する敬意、自由、民主主義、平等、法の支配、マイノリティに属する権利を含む人権の尊重という価値観に基づいて設置されている。これらの価値観は多元的共存、無差別、寛容、正義、結束、女性と男性との間での平等が普及する社会において、加盟国に共通するものである。

欧州連合、欧州連合条約第2条

簡単に言えば、ヨーロッパの統一市場を作ることが最大の目的で結成されたのがEUです。そのため、加盟国間の物流には原則として関税がかかりません。また、加盟国の国民が自由に移動することができるのも大きな特長です。

※関税とは、国境を通過する貨物に通常輸入国の政府によって課せられる租税。

EUとヨーロッパの違い

ヨーロッパはそれどれの国をひとまとめにした地域の名称です。後で説明しますが、ヨーロッパでもEUに加盟している国、していない国があります。

EU 加盟国

2016年6月現在 EUの加盟国は28か国です。

ベルギー、ブルガリア、チェコ、デンマーク、ドイツ、エストニア、アイルランド、ギリシャ、スペイン、フランス、クロアチア、イタリア、キプロス、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ハンガリー、マルタ、オランダ、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、イギリス(英国)

EU 略歴

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EU略歴 外務省より引用

年月 略史
1952年 欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)設立(パリ条約発効)。原加盟国:フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク
1958年 欧州経済共同体(EEC)、欧州原子力共同体(EURATOM)設立(ローマ条約発効)
1967年 3共同体の主要機関統合
1968年 関税同盟完成
1973年 英国、アイルランド、デンマーク加盟
1979年 欧州議会初の直接選挙実施、欧州通貨制度(EMS)導入
1981年 ギリシャ加盟
1986年 スペイン、ポルトガル加盟
1987年 「単一欧州議定書」発効
1992年末 域内市場統合完成
1993年11月 マーストリヒト条約発効
1994年1月 欧州経済領域(EEA)発足
1995年1月 オーストリア、スウェーデン、フィンランド加盟
1999年1月 経済通貨同盟第3段階への移行(ユーロの導入)
1999年5月 アムステルダム条約発効
2002年1月 ユーロ紙幣・硬貨の流通開始
2002年7月 ECSC条約の失効、ECSC解消
2003年2月 ニース条約発効
2004年5月 中東欧等10か国が加盟
2007年1月 ブルガリア、ルーマニア加盟
2009年12月 リスボン条約発効
2013年7月 クロアチア加盟

EUとユーロ圏の違い

ユーロ圏とは、2014年7月現在、ユーロ(欧州通貨)を使用し、欧州経済通貨同盟(EMU)に加盟している18カ国で構成する経済圏のことを指します。これらの国は、EUにも属しています。

加盟国は、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、スペイン、フランス、アイルランド、イタリア、キプロス、ラトビア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、オーストリア、ポルトガル、スロべニア、フィンランド、スロバキア、エストニア。

※イギリス(英国)はヨーロッパ連合であるEUには加盟していますがユーロには加盟していません。その理由は諸説ありますが、イギリスがEU の高いインフレ率を警戒し、物価が高い国にはなりたくないという考えと、金利や国際の決定権を手放したくないということ(ユーロを使用する場合政府支出と金利調整機能が欧州中央銀行で一本化され、国債発行の単年度GDPの3%制限が為される)などがユーロを導入しない理由にあげられています。

EUとシェンゲン協定の違い

EUの母体である欧州経済共同体(EEC)の設立条約(ローマ条約、1958年発効)において、加盟国間で人、物、サービス、資本が自由に移動できる共同市場を創ることが目指されました。その後、1985年に西ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの5カ国が「人の移動の自由」の実現に向けて、域内国境を段階的に撤廃することに合意したのが「シェンゲン協定(The Schengen Agreement)」です。

簡単に言えば、シェンゲン協定は、自由な移動のために、加盟国相互の出入国審査を省略することを目的に作られた協定であり、EU加盟国内で「シェンゲン条約に加盟している国」の中ではパスポートの提示はいりません。シェンゲン協定は加盟国の国民以外も省略の対象ですので、日本人が旅行の行った際でもシェンゲン協定加盟国内であればパスポートの提示はいりません。

※EU加盟国のうちシェンゲン協定に加盟していないのはイギリス・アイルランド・キプロス・ルーマニア・ブルガリア・クロアチアです。

※シェンゲン協定加盟国のうち、EU未加盟国はアイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインです。

イギリスは国ではなく連合王国

イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの地域により構成されたグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国であり、カントリー(国)と呼ばれることもあります。英語表記では Countries of the United Kingdom。イギリスはポルトガル語の”イングレース”から来ている和製英語です。

イギリス人でも、イングランド出身の人は、”イングリッシュ”と言いますが、スコットランド出身の人は、”スコティッシュ”、ウエールズ出身の人は”ウエリッシュ”、アイルランド(北)出身の人は”アイリッシュ”と自分たちの事を言います。連合王国ではあるものの複雑な民族の歴史と、宗教とがからみあい、ウェールズ、スコットランドは独自の文化を持ち、イングランドと一線を引いています。

サッカーやラグビー好きなら知っている話ですが、4つの国に、それぞれ代表チームがあります。その理由としてイギリスがサッカーとラグビー発祥の地だから、そのことに敬意を表して4つの国に代表チームがあることを認めています。

ただ、IOC国際オリンピック委員会にはイギリス(UK)として1ヶ国で加盟してい ます。

ヨーロッパに旅行に行く前に知っておきましょう。

EU圏のパスポートを持っている人はシェンゲン協定とは関係なくEU圏を自由に行き来することができます。日本人は本来、自由に移動できませんがシェンゲン協定があるおかげで入国審査を通ることなく移動することができます。パスポートにシェンゲン協定加盟国のスタンプがあれば、協定国内は6ヶ月のうち90日滞在することができます。

EU圏内でもシェンゲン協定に加盟していないEU加盟国、イギリスやアイルランドでは入国審査があります。

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