『安楽死』それは患者が自らの意思で自死(自殺)に至る。死を迎える瞬間とは。

スウェーデンでは、患者が『安楽死』を望めば医者が延命治療をやめることを認める、医学ガイドラインがあります。

安楽死は合法な自死・自殺
※画像はイメージです。

『SAPIO』(2016年5月号)掲載より (小学館から発行されている月刊「国際情報誌」)

「これだけは、はっきりと言えるわ。まさかこの年齢で死を迎えるなんて、考えたこともなかったって。それ以前に病気とは縁がなかったんですもの。けれど死が怖いんじゃないのよ。この耐えられない痛みとともにじわじわと死んでいくことが、私には恐怖なの」

2015年9月、スペイン南部のリゾート地・マルベージャで余暇を過ごしていたヨーレル・ブンヌは突然、背中の痛みに襲われた。CT検査を受けると、膵臓(すいぞう)癌が見つかった。余命はわずか半年と宣告された。

バーゼル郊外にある田舎町にひっそりと佇む高級ホテルの一室に、夫のアンデルス・ユーブリンク(72歳)と滞在していた。翌朝の8時半、英国人老婦と同じ場所で、プライシック女医による自殺幇助が予定されていた。

この瞬間から、彼女に残された人生は、約16時間。

元医師として、いや、この時は患者として、彼女は訴えたいことがあった。

「患者の痛みを和らげる緩和ケアが各国で主流になっていますが、私の意見では、まったく無意味だと思う。それは単なる嘘でしかない。この痛みを和らげることなんてできませんから。特に私の癌は、とても不愉快な痛みです」

翌朝8時半、同じアパートの中で、自殺幇助が行われた。

ヨーロッパ・アメリカで『安楽死』を合法している国・州

ヨーロッパでは『安楽死』が広く認知されている傾向にあります。スウェーデン以外の国でも『安楽死』が可能となっています。

■オランダ・・・2001年、世界ではじめて安楽死を合法化した国となっています。

■ベルギー・・・2002年に安楽死を合法化しています。オランダの次に安楽死を合法化した国です。

■ルクセンブルク・・・2008年に安楽死を合法化しています。

■スイス・・・安楽死を合法化しています。

■フランス・・・必要以上の延命治療を控えて死に至らしめる『積極的安楽死』は合法。しかし、本人の自発的意志を前提として一定の条件を満たした場合、医師が自殺幇助の行為を行う『積極的安楽死』は違法です。

■イタリア・・・安楽死は違法だが、イタリアの法律は患者が治療を断る権利を支持している。(現在も論議が続いています。)

ドイツ、スペイン、イギリス、ポーランドなどは『安楽死』に対して否定的であり、違法です。

■アメリカ・・・ワシントン州、オレゴン州、バーモント州、ニューメキシコ州、カリフォルニア州では安楽死を合法化しています。州内の医師は余命6か月以内の末期患者に対し、致死量分の薬物の処方することが認められています。

日本では『安楽死』は違法。刑法上殺人罪の対象となる。

日本でも『安楽死(尊厳死)』の法律化が議論されているものの現在ではまだ違法になります。殺人罪(刑法199条)もしくは嘱託・承諾殺人罪(刑法202条後段)に該当します。

「生きる」ことは義務なのか?

ヨーロッパ・アメリカでも安楽死は『苦痛が無く死ぬ』ことであり、精神的なストレスによる首つり、飛び降りなどの苦痛が伴う自殺は該当しません。様々な条件が全て満たされた場合により『安楽死』が合法化となります。日本でも『安楽死』を求める人も少なくありません。重症といえる重たい病気の場合、一番つらくて苦しいのは病気を患っている本人といえます。また本人が辛いだけでなく、それを支える家族への負担も大きいといえます。『生きる義務を果たす』のか『死ぬ権利を行使すべきか』。命の終わらせ方を考える必要があるといえます。

これからの為に読んでおきたい安楽死に関する本はこちら

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